4月22日 火曜日

 今日、ルカの百ヶ日を迎える。夜の闇を疾走し、川口湖畔へバイクを走らせた俺。ひとりの身には、バイクが丁度良い。日の出前、薄靄の中、バイクは思い出の場所に辿り着いた。
 朝焼けの中、次第に浮かび上がる富士は、その雄大さを湛え目の前に迫ってきた。春とは名ばかりに、風は痛いほど清々しく渡り、目の前に広がる河口湖は、その面に富士の山を映し鏡の如き清らかさをもって、あの日と変わる事無く存在し、旅立つ俺を迎えてくれた。身体に力がみなぎる気がして、俺は、富士を仰ぎながら心の中で呟いていた。
 ルカ、俺は君を護り切れなかった。でも、後悔はしないよ。後悔をしてしまったら、君との想い出は、全てが虚しくなってしまうから。優しすぎたルカ。俺は、今日フランスへ旅立つ。あの日、君に話した星の世界を俺は研究するために。君の居ない世界は、正直何処に行っても俺には辛すぎるのかも知れないし、ルカ、君の面影を探してしまうかも知れない。だけど、ルカ、俺は生きるよ。君のために。そして、俺自身のために。
 「じゃあ、行って来るよ。ルカ・・・・・・・」
俺は白薔薇の花束を湖に投げると、バイクのイグニッションキーを回した。
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by karura1204 | 2004-11-30 23:59 | エピローグ
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