今日は、システムの稼動日。朝から、顧客の所へ出向き、新システムのスイッチを入れる。この日のために、追い込みで、何度もテストをしてきた。何も問題はない筈だ。緊張が全員に走る瞬間。顧客が、新システムを使っての作業を開始した。PC画面を文字が走り出し、システムが動き出す。エラーは・・・・出ない。次のシステムが作動するエラーは出ない。次々にシステムが動き出す。最後の移行が終わり、システムは完全に動き出した。エラーは全く起きなかった。そこに居た全員に安堵の表情が浮かび、やがて拍手が沸きあがった。
「佐藤さん、良かったですね。ありがとうございます」 顧客のシステム主任が握手を求めてきた。 「いえ、こちらこそ。ありがとうございました。また、次もよろしくお願いします」 その場に、振舞い酒が用意され、俺たちは、乾杯をして帰社した。 帰社すると、ご苦労さん会の準備に入った。翌日の納会と一緒に行う為だ。その日にやっても良いのだが、2連チャンよりは、みんなの負担も軽くなる。俺は、ルカに電話をした。 「ルカ、仕事、上手く行ったよ」 「おめでとう。良かったわね」 「ああ。ありがとう。それで、明日、帰るよ。ごめんな。今日は、残務整理を終わらせておきたい。年末年始ゆっくりしたいから」 「良いわよ。気にしないで、待っているわ」 「ありがとう。じゃあ」 「あ、純」 「何?」 「ううん、何でもない。気をつけてね」 「ああ、じゃあね」 「ええ」
by karura1204
| 2004-12-01 01:28
| 第五章 時の狭間
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