ルカの誕生日をふたりで過ごして以来、俺たちの会話は、メールが多くなっていった。家に帰る時間と、出かける時間がルカと合わない。ある程度までは、ルカも起きているようだったが、流石に、2時、3時までが続くと、毎日が大変のようだった。だが、俺は仕事に充実感を感じ、毎日があっという間に過ぎていった。 言い訳になるのかも知れないが、ルカに俺は甘え、ルカの辛さを思いやる余裕がなくなっていた。だから、ルカに襲い掛かった魔の手を俺は見逃したのだった。 ルカのメールからは、実際、辛さまでは読み取れなかった。ただ、統括部長から出た話しを、忙しさにかまけて、ルカにしないでいた。それは、次第に俺の中でわだかまりとなり、最初は小さな黒点だったものが、次第に広がってゆく気配は感じていた。その気配を解決しないまま、秋の風を迎えた。
by karura1204
| 2004-12-01 01:43
| 第四章 パンドラ
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