8月3日 土曜日

 夏の日差しが部屋を照らしている。暑いはずなのに、俺は寒気がした。隣にいたルカがいない。寝ぼすけのルカは?ボーっとした頭で起きると、パジャマを着た。昨夜は裸で寝たせいか冷たすぎるシャワーを浴びたせいか、それとも両方なのか・・・ドアを開けた。ルカはパソコンに向かっていた。
 「おはよう」
 「あ、おはよう。もう、11時過ぎているわよ。簡単だけど、食事もあるわ」
 「食欲ないわ。悪い」
 「珍しいわね、純が寝坊するなんて。でも、土曜日だから、良いか」
 俺は、ルカの声を背中で聞き欠伸をしながら洗面所へ言った。そう、トイレに入って用を足したまでの記憶はあったのだが、顔を洗おうとしてドアに手をかけ、俺は倒れた。物凄い音がしたらしい。
 「純?どうしたの?純、純一!」
 遠のく意識の中でルカの声だけが響いていた。
 俺が気付いた時は、ベッドの上だった。頭には氷まくら、両脇と両足の付け根にはブロックアイスがあった。
 「良かった、気がついた」
 何か喋ろうとしたが声にならない。
 「喋らないで。風邪だって。少し疲れも有ったみたい。 緊急だったから、パソコンに入っていた住所録を見て、純のお友達に電話したわ。勝手に見てごめんなさい。でも、直ぐにお医者様を連れて来てくれたの。もう、ビックリ。純をベッドに運ぶの、ひとりだったの。身体が熱かったから心配しちゃった。何か食べられそう?」
 ルカは興奮気味に喋った。余程心配し、慌てていたのだろう。だが、俺は首を横に振っただけだった。
 「じゃあ、水分だけでも取ってね。マズイだろうけれど、冷やして有るから、気持ちサッパリしていると思うわ」
 スポーツドリンクにストローを付けてルカが持って来た。零れないようになっている。吸い飲みの感じで飲ませてくれた。熱で火照った身体には冷たくて美味しい気がした。
 「汗が出ているから着替えましょう」
 パジャマを着替えさせてくれた。着替えると、気持ちが良くて俺はまた眠った。
 2時間位経つと目が覚める。その都度ルカは氷を変え、パジャマを変え、水分を補給してくれる。0時を回った頃、解熱剤が効き始め、ぐっすりと眠った。
 しかし、その間もルカは小まめに汗を拭き、リンパ線を冷やしてくれていたらしい。俺は知らずに眠っていたが、ルカは一睡もせず看病していてくれた。
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by karura1204 | 2004-12-01 01:51 | 第三章 黒点
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