朝7時。俺はルカに起こされた。
「ルカ、寝なかったのか?」 「寝たわよ」 「そうか?それなら良いが・・・」 「早くしないと、遅れちゃうわよ」 「ああ」 俺は、シャワーを浴び、身支度を整える。流石に腹は減らなかったので、珈琲だけを飲んだ。新聞に目を通していると、ルカがハンカチと一緒に細長い包みを持ってきた。 「昨日渡そうと思っていたけれど、純からのプレゼントが嬉しくて渡しそびれちゃった」 「あけて良い?」 「勿論」 俺は包みを開けた。そこには一本のネクタイとポケットチーフがセットになっていた。 「気に入ると良いけど・・・・・」 「ありがとう。早速締めてゆくよ」 俺は鏡の前に立ちネクタイを結んだ。きゅっと締まる音がする。ルカに向き直り、 「どうかな?」 「似合うわよ。渋いわ」 ルカは背広を着せ、ポケットチーフも挿した。 「気障に見えないか?」 「大丈夫よ。渋めの色にしたから、何にでも合うわ」 ルカは満足気に微笑んだ。俺は照れた。大いに照れまくった。 「じゃあ、行ってくる」 照れ隠しに言って、俺は玄関を出る。玄関先まで見送りに来ルカが「ファイト!」と声を掛けた。気分がシャンとした。昨夜付け替えた表札をチラッと見て俺は「よし!」とガッツポーズを取った。
by karura1204
| 2004-12-01 01:55
| 第二章 鬼灯
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